御法主日顕上人猊下お言葉

大日蓮611号より

お言葉 平成9年如意山法珠寺(旧法珠院)移転新築寺号公称板御本尊入仏法要の砌
平成09年08月21日
於 北海道釧路市・法珠寺

   御法主日顕上人猊下お言葉
     如意山法珠寺(旧法珠院)
      移転新築・寺号公称板御本尊入仏法要の砌
                             平成九年八月二十一日
                             北海道釧路市

 本日は、法珠院がこのたび移転新築をいたしまして、その落慶入仏法要を執り行うに当
たり、お伺いをいたしました。
 皆様方には元気な姿で御参詣になり、まことにおめでとうございました。御苦労さまで
ございました。
 この法珠院の成立は、皆様方もほぼ御存じと思いますが、昭和五十六年に、この釧路市
の興徳寺という寺院の住職・山本量道が、当時の状況上、種々の悪縁に紛動されて、日蓮
正宗総本山の指導から背いて、やむをえず、ほかの信心を忘れた不逞なる者どもと共に処
分をいたした次第であります。
 したがって、処分をされた以上、その者どもは直ちにそこから退去すべきでありました
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が、我意・我見をもってあくまで今までの所に留まり、動く姿もなかったのであります。
 このような状況のなか、当時の御信徒の篤志の方が、御自分の住居ならびに土地等を御
供養してくださいまして、そこを本拠に法珠院が出発したのであります。それが五十六年
の六月だったと思いますが、次の年の五十七年の十月に、さらに日蓮正宗の正式な教会・
法珠院として発足をしたのであります。
 それ以来、有縁の信徒と共に、福田寿道房がこの院を盛り立てて、正法広布のために精
進をしてきたのであります。そして、時来って今回、この慶事を迎えた次第でありますが、
その前に、興徳寺に居座っておりました山本量道が寿命尽きて没しました。したがって、
興徳寺が正常な形に戻ってまいりましたので、総本山から現住を任命いたしまして、現在
は興徳寺もまた、日蓮正宗の寺院としての運営を行っておる次第であります。
 したがって、まだ本宗においては、無論、将来は判りませんけれども、全国的に見ます
れば、だいたい一都市一ヵ寺というような状況があるわけでありますが、このような経緯
と経過に基づきまして、現在、この釧路市には二ヵ寺の寺院が存在するという状況になっ
ておるのであります。
 これは、むしろ山本量道の宗門に対する反抗によって、かえって正しい信心を持った、
総本山を中心とする僧俗の真の護持和合の志とその功徳によりまして、釧路市に二ヵ寺の
寺院が出来上がるというような、大きな慶事を生じたということを感ずるのであります。
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 法門のなかに「逆即是順」ということもあります。これは、個々の信心のなかにおいて、
色々な悪いことをしていたけれども、その信心を正しく、どこまでも受け持って、退転を
せずに信心修行に邁進していくところに、かえって過去の悪が転じて、そのまま菩提の因
となるという不思議な姿であります。
 これは、特に法華経の功徳でなければ、この道はないということを大聖人様が種々の御
書に御指南であります。特に『始聞仏乗義』という御書がありますが、ここに「相対種」
と言いまして、相対的な悪いものが妙法の大きな功徳によって転じて、大きな幸せになる
という姿があります。
 この場合は、山本量道のことについて云々ではありませんが、山本の悪業の姿も、日蓮
正宗の僧俗が真に和合して正法を護持し、広布へ進むところの功徳をもって彼が回向され
て、そこに転迷開悟の姿が現在乃至、将来において顕れてくるものと思うのであります。
 そういう意味からも、このたびの寺号公称、再出発に当たりまして、山号を「如意山」
と付けたのであります。
 「如意宝珠」という、珠の宝があるということは、仏教のなかでは色々な教えのなかに
ありまして、これは竜の脳の所に存するとか、そのほか色々な説もありますけれども、要
は、釈尊の亡くなられたあと、その身体をお焼き申し上げて、お骨を取り分けて安置した
仏舎利を如意宝珠といって、この仏舎利を拝するところの功徳が非常に大きいというとこ
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ろから、意の如くになるところの功徳を持った珠であるという意味で言われておる意味も
あります。
 しかし、法華経の意義からするならば、骨のことを舎利と言いますけれども、この舎利
も「生身の舎利」すなわち、お釈迦様がいくら尊いお方であっても、そのお骨そのものよ
りも、お釈迦様の真の悟りを説かれたところの法華経こそ、真の功徳の存する舎利である、
いわゆる「法身の舎利」という意味が存するのであります。
 この法身の舎利を、我々は尊い功徳の上に拝していかなければならないのでありまして、
そういうところからも、この「如意山法珠寺」というのは、
  「一代経々の中には此の経計り一念三千の玉をいだけり」(御書五七四㌻)
という大聖人の御指南がございまして、一念三千の深い仏の悟り、その功徳の凝集された
法体を、いわゆる珠と仰せになっておるのであります。
 したがって「如意山法珠寺」というところに、大聖人様の御出現の主意たる、
  「一念三千を識らざる者には仏大慈悲を起こし、五字の内に此の珠を裹み、末代幼稚
  の頸に懸けさしめたまふ」(同六六二㌻)
というところの御指南がある次第でありまして、そこに御本仏大聖人様が日本国乃至、世
界の衆生を救うために御出現になり、そして本門戒壇の大御本尊を御顕示あそばされたこ
とは、皆様もよく御承知のとおりでございます。
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 どうぞ、そういう意味からも、この立派に新装なった法珠寺に、本門戒壇の大御本尊様
を恐れ多くも御書写申し上げまして、本日ここに御入仏申し上げましたので、これからも
有縁の御信徒にあっては常に参詣あって、信心修行、また自行化他に御精進され、立派な
即身成仏の功徳を築くとともに、この地方の広布に御精進されることを心からお祈り申し
上げる次第であります。
 ひとこと、簡単ながらお祝辞に代える次第であります。おめでとうございました。
                                (文責・編集室)

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