正しい勤行のしかた
大聖人様は『月水御書』において
「~常の御所作には、方便品の長行(じょうごう)と寿量品の長行とを習ひ読ませ給ひ候へ」
法華経の28品のなかでも、最も優れた方便品と寿量品を読誦し、正行である『唱題』(お題目を唱える)の功徳を助ける『助行』とするようご指南されています。
導師の役割
お寺ではご住職が務められる「導師」、家族で勤行唱題するときにも、リードする役割の導師が先頭にたち行います。
導師は他の模範となるようにしっかりと勤めることが大事ですが、共に勤行する人も、読経を乱さないよう導師と唱和するよう努めましょう
≪導師がいる場合≫
①題目三唱を唱えるのは最初と初座の最初、5座の一番最後だけです
その他は、導師の三唱を聞きます。(合掌して頭を下げ、心の中で唱えます)
②「妙法蓮華経方便品第二」
「妙法蓮華経如来寿量品第十六」の題号は導師だけが読みます。
③引き題目は、導師の最初の「ナームー」を聞き、「ミョーホーレーンゲーキョー、ナームー」と併せて読みます。
鈴(りん)について
勤行の 初座は鈴を打たない
2座以降は
方便品の始めに7打
寿量品の始めに3打
引き題目の後は5打
5座を終え唱題に入る際には7打
唱題を終えて5打
これが基本です。打つタイミングなどは寺院の勤行に参詣して覚えましょう。
朝勤行・・五座
まず御本尊に向かって題目三唱(※全員で)
○初座(諸天供養)※鈴は打ちません
①東方に向きを変え題目三唱(※全員で)
②「妙法蓮華経方便品第二」と題号を読み(※数人で読む場合、導師のみ)
「爾時世尊。従三昧 ~(略)~ 所謂諸法。如是相。如是性・・・ 本末究竟等」までを読誦
※「所謂諸法。如是相。如是性・・・ 本末究竟等」の部分は三回繰り返します
③「妙法蓮華経如来寿量品第十六」と題号を読み(※数人で読む場合、導師のみ)
自我偈(自我得仏来・・速成就仏身)を読経します。
④引き題目を三回(ゆっくりと唱えます)
ナームー、ミョーホーレーンゲーキョーナームー、
ミョーホーレーンゲーキョーナームー、ミョーホーレーンゲーキョー
(導師の最初の南無の後に全員で)
⑤題目三唱(※数人で読む場合、導師のみ)
⑥初座の観念文を黙読 (声を出さずに読みます)
⑦題目三唱(※数人で読む場合、導師のみ)
○二座(本尊供養)
①御本尊に正対し鈴を7回打ち、方便品読誦
終わって鈴を1打
②寿量品の題号を読み鈴を2打。長行(じょうごう)「爾時仏告。諸菩薩及~~爾説偈言」まで読誦
③引き題目を3回唱え、鈴を5打。題目三唱(※数人で読む場合、導師のみ)。
④二座の観念文を黙読(声を出さずに読みます)。
⑤題目三唱(※数人で読む場合、導師のみ)。
○三座(三師供養)・四座(祈念)
ともに二座と同様です。
○五座(回向)
①二座~四座と同様、方便品と寿量品の自我偈を読誦します。
②鈴を七打、唱題に入ります。
③唱題終了後鈴を五打。題目三唱(※数人で読む場合、導師のみ)。
④鈴を打ちながら観念回向します。
⑤題目三唱(※数人で読む場合、導師のみ)。
⑥「乃至法界平等利益 自他倶安同帰寂光」と念じます
⑦鈴3打。題目三唱。(全員で)
夕勤行・・三座
夕勤行は、五座のうちの二・三・五座を行います